電子契約サービスには、月額基本料と初期費用がどちらも0円のものがあります。金額表の上では最も安く見えますが、3年間の総額を計算すると最安にはなりません。ここでは公式料金から算出した結果を示します。
課金される場所が3社で違う
掲載している3製品は、費用の発生する場所が違います。
| 製品 | 月額の最小 | 送信1件 | 無料枠 | 文書の保管料 | 最低契約 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電子印鑑GMOサイン | 8,800円 | 100円 | なし | なし | 12ヶ月 |
| クラウドサイン | 11,000円 | 220円 | なし | なし | 12ヶ月 |
| WAN-Sign | 0円 | 100円 | 10件/月 | 10,000円/月 | なし |
送信1件あたりの金額は、条件を揃えるため立会人型(契約印タイプ・認印版)のものです。当事者型(実印タイプ・実印版)は各社とも別料金で、署名者ごとに電子証明書が必要になる製品もあります。
金額はすべて税抜です。出典は各社の公式料金ページです。
- 電子印鑑GMOサイン https://www.gmosign.com/price/
- クラウドサイン https://www.cloudsign.jp/price
- WAN-Sign https://wan-sign.wanbishi.co.jp/price
月100件・3年間の内訳
月に100件送信し、36ヶ月使った場合の総額です。
| 製品 | 月額×36ヶ月 | 送信の従量 | 文書の保管料 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 電子印鑑GMOサイン | 316,800円 | 360,000円 | 0円 | 676,800円 |
| WAN-Sign | 0円 | 324,000円 | 360,000円 | 684,000円 |
| クラウドサイン | 396,000円 | 792,000円 | 0円 | 1,188,000円 |
WAN-Sign は月額も初期費用も0円ですが、総額は676,800円の電子印鑑GMOサインより高くなります。差は7,200円です。
差を作っているのは文書の保管料です。WAN-Sign は送信した文書が累計10件を超えると、電子データ管理料が5,000件ごとに月10,000円かかります。36ヶ月では360,000円になり、これは同社の総額684,000円の半分以上を占めます。
この費用は当サイトが独自に加えたものではありません。WAN-Sign の公式料金ページには、年間800件の締結でランニング費用が年20万円になるという試算例があり、その内訳として「認印版送信800件×100円、文書電子データ管理料通常プラン月額1万円×12ヶ月の場合」と書かれています。公式の試算そのものが、この費用を含めて計算しています。
送信単価の差は月額の差より大きい
クラウドサインと電子印鑑GMOサインを比べると、月額の差は毎月2,200円です。しかし送信1件あたりは220円と100円で、120円の差があります。
月100件・36ヶ月では、月額の差は79,200円にとどまるのに対し、送信の従量の差は432,000円になります。総額の差511,200円のうち、8割以上は送信単価から生まれています。
送信件数が少ないほどこの差は縮みます。月5件・36ヶ月ではクラウドサインが435,600円、電子印鑑GMOサインが334,800円で、差は100,800円です。件数が20分の1になると、差も5分の1になります。
契約期間が長いほど保管料が効く
文書は送信するたびに増え、消えません。したがって保管料は契約期間が長いほど重くなります。
WAN-Sign の電子データ管理料は5,000件ごとの段階制ですが、公式サイトに記載があるのは最初の段階までです。月300件を12ヶ月なら累計3,600件で段階に収まり、総額は468,000円と算出できます。しかし同じ月300件でも36ヶ月では累計10,800件となり、公開されている段階を超えます。
当サイトはこの条件で WAN-Sign を対象外として扱っています。次の段階の金額が公式サイトに記載されていない以上、推測で計算すれば実際と違う金額を出すことになるためです。
判断に使える形にまとめると
- 月額基本料が0円でも、送信ごとの費用と文書の保管料が積み上がるため、総額では固定費のある製品より高くなる条件があります
- 送信件数が多いほど、月額の差より送信単価の差のほうが総額に効きます
- 保管料のある製品は、契約期間が長いほど不利になります
自社の送信件数での順位は、電子契約サービスの料金比較のページで条件を変えながら確認できます。